膵臓がん症例実績

ネオアンチゲン複合免疫治療のまとめ

ネオアンチゲン、総論

◆ネオアンチゲン複合免疫治療と、免疫データ解析の併用

私たち東京MITクリニックでの免疫治療は、長年にわたる多岐の理由に支えられてきました。その中でも、「獲得免疫の再始動」を中核としたがん免疫治療に顕著な可能性が見いだされたのです。この核心的なビジョンを踏まえ、私たちはがん免疫治療の実践において特に以下の要点に焦点を当てて取り組んでいます。

1)がん細胞の識別マーカーとなるMHCクラスⅠの再発現

2)キラーT細胞の活性化

こうした基盤の上に立ち、私たちはがん特化型の高度精密血液検査「リスクチェッカー(Risk Checker)」と、新開発の「大規模統合免疫データ解析AIシステム」を駆使することで、各症例特有の免疫状態とがん病態に関わる精密な解析ロジックを見いだしたのです。そこで、この先進的なアプローチにより、症例ごとに異なる複数の治療要素について最適化が可能になり、個々の症例にカスタマイズされたがん免疫治療法、「ネオアンチゲン複合免疫治療」を実現したのです。

◆ネオアンチゲン複合免疫治療における、「源流対策」

ネオアンチゲン複合免疫治療の中核となるのは、「内因性 MHC クラスⅠペプチド誘導」と呼ばれる独特の免疫治療技術です。この手法では、がん細胞の進行に伴い消失しがちな識別マーカー「MHCクラスⅠ」と、がん特有の特異タンパク質「ネオアンチゲン(neo antigen)」をがん細胞の表面に再提示させることを目的としています。そして、このプロセスにより獲得免疫を担う免疫細胞が活性化されると、がん細胞の破壊もより促進されるものと考えます。

◆高度進行がん/ステージⅣに対する自然免疫の限界

がんが進行し、高度の進行がん/ステージⅣに至ると、治療の複雑さはさらに増していきます。しかもこの段階になると、初期の免疫応答を司る自然免疫システムだけではがんの対処も甚だ困難になってしまうのです。その理由は、自然免疫に属する単球/マクロファージやNK細胞などでは、迅速な初期対応を優先するあまりがん細胞を明確に識別せずに免疫応答を進めてしまうため、がん排除のプロセスが不十分になってしまうからです。

実際、私自身もNK細胞や樹状細胞を応用した自然免疫系のがん免疫療法には、多くの挫折を経験しました。大学病院に在籍していた時、研究医療としてこれらの療法を高度進行がん症例に無償提供した際に、望ましい成果を得ることができなかったからです。

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