膵臓がん症例実績

すい臓がん症例5

60歳:男性
かかり付け病院にて“すい臓がん/ステージ4”と診断され、根治的な手術が不可能と判断された症例です。その後、延命目的で抗がん剤の投与を受けましたが結果は思わしくなく、日増しに体が衰弱していく状況で来院されました。
そこで、初診当日に免疫精密検査「リスクチェッカー検査(採血)」を実施。それにより新たな事実が判明し、その治療戦略としてネオアンチゲン複合免疫治療の一つ、「MHCクラスIペプチド誘導」が開始されました。

将来が「見通せなくなっていた」

初診時に持参の資料確認では、すい臓の「頭部」という部分にがん腫瘍(がんの塊)が確認されました。加えて肝臓にも二カ所の転移を伴っていたため、標準治療の中でも一般的な抗がん剤(ジェムザール+アブラキサン)が投与されましたが、期待した効果も得られません。そしてこの時、初めて「将来が見通せない」実情に大きな不安を覚えたといいます。

治療成果が確認できない

まずは、投与されてきた抗がん剤の成果を把握するため、かかり付け病院で実施されたがんの“活動指標(腫瘍マーカー値)”を調査。しかしながら、(CEA) という腫瘍マーカー1項目のみの経過観察であったため、「果たして抗がん剤が効いていたのか?」について、確認ができません。

そして、新たな事実が判明します

そこで、初診日当日にがん精密「リスクチェッカー(採血)」の数値を改めて確認。そこで初めて、以下の病状が明らかになりました。
「サイトカイン・ストーム」という病状を発症。
リスクチェッカー検査の1ページ、「細胞性免疫検査(がん関連免疫検査)」から例示しましょう。
 

 
注目すべきは、サイトカインの異常数値(赤く着色したグラフ部分)です。インターロイキン 6、インターフェロンγ、ならびに腫瘍壊死因子(TNF-α)というサイトカインがどれも大幅に増加していました。サイトカインとは主に免疫を司るリンパ球から分泌される「生理活性物質」を表し、これらの無秩序な暴走結果を「サイトカイン・ストーム」と言います。そして、中でもインターロイキン6という炎症性サイトカインの急上昇は、がんの急速な進行をもたらしかねないため、早急な治療対処が要求されました。
 
腫瘍マーカーが一斉に急上昇(増加)する「CIN:染色体不安定性」も発症。
次に、リスクチェッカー検査の2ページ、「がん関連抗原検査(腫瘍マーカー)」の結果を見てみましょう。ここでは多数の腫瘍マーカーが著しく上昇(増加)していました。しかし、これまでに測定されたのは一行目の(CEA)のみ。そのため、未実施の腫瘍マーカーに多数発現していた「がんの悪化シグナル」には誰も気づくことが無かったのでしょう。
 

 
そのような中で、異常マーカーのモニタリングが無いまま、抗がん剤が投与されていたと判断されました。
ちなみに、多数の腫瘍マーカーが一斉に悪化する現象を「CIN:染色体不安定性」と呼びます。その原因は、がん細胞の活発化をもたらす遺伝子DNAの突然変異によるものと考えられています。しかも、このような状態を放置すると大概1~3ヶ月程度でがん性の「悪液質」を発症し、短期間で命を落とす危険性が激増してしまいます。

改めて策定された治療戦略と、その6ヶ月後

そこで、「サイトカイン・ストーム」と「CIN:染色体不安定性」の改善を目指す治療が策定され、「MHC クラスIペプチド誘導」とヒストン脱アセチル化による「遺伝子サイレンシング」対策に重きを置いたネオアンチゲン複合免疫治療が行われました。
治療開始後は2ヶ月に一度、免疫パラメータを測定しながらおよそ6ヶ月で治療が終了。結果、早急な対処が望まれたインターロイキン6の著しい低下と、多数の腫瘍マーカー値に改善がもたらされました。

 

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