目次
がんは、ある日突然ではなく、
“じわじわと静かに進行”していく病気です。
本ページは、「がんとは何か」「体内でどのように発生・変化するのか」といった基礎的な医学情報を整理することを目的としています。特定の治療法や治療効果を示すものではありません。
年齢とともに細胞分裂の回数が増えることで、自然と 遺伝子のエラーが蓄積していきます。 そのため、高齢になるほどがんのリスクは上がります。
細胞には「増えすぎない」「壊れるべきときには壊れる」といったルールを制御する遺伝子があります。 この遺伝子に何らかの突然変異(エラー)が起こると、 細胞は異常な増殖を始め、がん化します。
長年にわたる外部からのダメージにより、遺伝子に変異が蓄積していきます。
- タバコ(肺がん、咽頭がん など)
- 飲酒(食道がん、肝臓がん など)
- 食事(塩分過多、加工肉 など)
- 肥満や運動不足
- 紫外線(皮膚がん)
- 感染(ピロリ菌、HPV、肝炎ウイルス など)
ある種のがんは、特定の遺伝子の変異が家系内で受け継がれることがあります。 (例:BRCA1/2 遺伝子による乳がん・卵巣がんのリスク上昇)


がんの正体
“がん”とは、私たちの細胞が、ある日突然、異常変異し余分に増殖を始めたことで発症する病気です。
日常、私たちの細胞は規則正しい「細胞分裂」をくり返すことで、古くなった細胞を新たな細胞へと置きかえます。しかし、がん細胞が突然変異したことで正常な制御を失ってしまい、無秩序に増え続けてしまったのです。
加えて、時に発生したがん細胞(しこり)は、血管やリンパ管を通じて他の臓器にも広がってしまうため(転移:てんい)、非常に厄介な疾患であると言えるでしょう。
今や「日本人の2人に1人はがんになる」といわれる時代です。年齢を重ねるにつれ発症の危険度が高まり、60歳を超えるといわゆる「がん年齢」となって多くの方が罹患してしまいます。
がん細胞が発生する理由
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細胞の秩序が乱れる — がんとは、そもそも細胞の秩序がコントロールを失い、発症してしまう疾患です。 体は小さな細胞の集合体であり、それぞれが分裂と成長をくり返す中で、約50回ほどの分裂を経て役目を終えます。
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遺伝子DNAに突然変異が起こる — 細胞内の遺伝子DNAが正常に働かなくなると、修復機構が作動しますが、加齢などによりその修復が追いつかなくなると、異常な遺伝子が蓄積します。
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修復しきれなかったDNAが「がん細胞」に変化 — DNAポリメラーゼなどの酵素での修復が間に合わず、損傷が残ると、細胞は制御を失い、「がん化」します。
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アポトーシス(細胞の自滅)機能が低下 — 老化などでアポトーシスの中枢が機能しなくなり、不要な細胞が破壊されず体内に残ります。
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制御不能な細胞が無秩序に増殖 — 排除できなかったがん細胞が増え続け、やがて体全体へと広がっていきます。これが「がん」の正体です。

がんの種類と発生起源
皮膚や粘膜など、体の表面を覆う上皮細胞から発生する悪性腫瘍。一般的に「がん」と呼ばれる固形腫瘍の多くはこのタイプです。
例: 胃がん・肺がん・大腸がん・乳がん など
上皮以外の組織、すなわち筋肉・骨・血管など「非上皮性細胞」から発生する腫瘍。
例: 筋肉腫・骨肉腫・血管肉腫 など
血液や骨髄、リンパ系の細胞が悪性化して発症するタイプ。固形腫瘍を形成せず、血液やリンパ液の中で広がります。
例: 白血病・骨髄腫・悪性リンパ腫 など
部位別で判別できるがんの種類 ▼
| がんの部位 | 発生部位 | 特徴 |
|---|---|---|
| 胃がん | 胃粘膜・幽門 | 初期は無症状が多い/ピロリ菌との関連 |
| 肺がん | 気管支・肺胞 | 咳・血痰・胸痛/喫煙との関連 |
| 大腸がん | 結腸・直腸 | 血便・便通異常/ポリープからの発生も |
| 乳がん | 乳腺 | しこり・皮膚のひきつれ/ホルモン依存性あり |
| 前立腺がん | 前立腺 | PSA上昇/進行は緩徐なことも |
組織形態によるがんの種類 ▼
| 形態 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 腺癌(せんがん) | 上皮の腺細胞・分泌細胞由来。粘液産生など。 | 胃がん・大腸がん・肺腺癌 など |
| 扁平上皮癌 | 扁平上皮由来。角化や橋形成を示すことも。 | 食道がん・頭頸部がん など |
| 肉腫 | 非上皮性(筋・骨・脂肪・血管など)由来。 | 骨肉腫・脂肪肉腫・血管肉腫 など |
| 血液腫瘍 | 造血・リンパ系の腫瘍。固形化しないことが多い。 | 白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫 |
発症時において特徴的ながん ▼
| がんの種類 | 症状や所見 | 補足 |
|---|---|---|
| すい臓がん | 初期症状に乏しい/黄疸・背部痛 | 画像・腫瘍マーカーで発見困難 |
| 卵巣がん | 腹部膨満感・消化不良 | 進行まで気づきにくい |
| 皮膚がん(黒色腫) | 母斑の形・色の変化 | ABCDEルールで自己点検 |
「内臓のどの場所に発症」(臓器別) ▼
- 消化器系:胃・大腸・肝臓・膵臓 など
- 呼吸器系:肺・気管支 など
- 泌尿生殖器:腎・膀胱・前立腺・卵巣・子宮 など
- 内分泌系:甲状腺・副腎 など
自己点検や病院での診断の流れ ▼
- 気になる症状の自己点検(出血・しこり・体重減少など)
- 医療機関受診(問診・視触診)
- 画像検査(X線・CT・MRI・超音波 等)
- 生化学・腫瘍マーカー・分子解析(例:血液分子解析)
- 総合判断と方針説明
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ガンと戦う白血球
がん細胞の隠れ技
→ キラーT細胞が目印を見失い、攻撃できなくなる
→ 白血球の働きを弱めてしまう
→ 自分が“敵ではない”と偽る
白血球(はっけっきゅう)は、このように体の中に侵入してきた病原体(ウイルス・細菌・がん細胞など)から身体を守る「免疫細胞」の総称です。血液の中に含まれており、赤血球や血小板とともに「血球成分」のひとつです。がん細胞を見つけて攻撃する役割を持つ白血球ですが、がんは巧妙に白血球の監視をすり抜けて成長することがあります。

白血球の種類とそれぞれの役割
免疫応答の初期で活動し、素性のはっきりしない細胞や異物に攻撃を仕掛けます。
骨髄の造血幹細胞によって作られて「獲得免疫」というパートを担当しています。胸腺(Thymus)の頭文字Tを冠して名づけられました。活性化するとキラーT細胞・ヘルパーT細胞に分化し、がん細胞を狙い撃ちする重要なリンパ球として働きます。
骨髄の造血幹細胞によって作られ、主に体液性免疫で抗体を産生する役割を担います。ヘルパーT細胞と連携し、がん細胞の情報を受け渡す働きも果たします。
免疫システムの監視役として働き、がん細胞を捕らえて破壊・分解し、その情報をT細胞に伝達します。
白血球の分類と働き
| 白血球の分類 | 主な細胞 | 働き |
|---|---|---|
| 顆粒球(かりゅうきゅう) | 好中球・好酸球・好塩基球 | 細菌や異物の直接攻撃・貪食。主に急性炎症に関与 |
| リンパ球 | T細胞・B細胞・NK細胞 | 免疫の司令塔・抗体産生・がん細胞の攻撃など |
| 単球(たんきゅう) | → マクロファージに変化 | 異物の貪食・情報伝達・炎症の調整など |
このように、免疫細胞と呼ばれる細胞群は、主に骨髄で作られる白血球の細胞に含まれています。その免疫抵抗力を担う免疫細胞(リンパ球など)に働きかける副作用のリスクが比較的少ないとされるがん細胞攻撃治療法、それがMHCクラス1誘導ネオアンチゲン複合免疫治療です。
がん細胞の表面に「がんの目印」を出現させ、免疫細胞の攻撃を誘導する「MHCクラス1誘導 + ネオアンチゲン複合免疫治療」は、副作用に配慮し一般的に体に優しいと言われる治療法です。
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